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2023年04月05日

試合後に掲出した横断幕について

私たち川崎フロンターレ応援団は、本日の試合終了後、フロンターレ吉田社長の事業方針に疑問を呈する横断幕をGゾーンに掲出しました。
今回私たちが横断幕を掲げるに至った最大の理由は、フロンターレが現在の吉田社長の体制になってからというもの、これまで先人たちが大切にしてきた「地域密着」というクラブの基本理念が軽んじられていると強く感じているからです。

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フロンターレは創設当初から地域密着の理念を第一に掲げ、役割や肩書きに関係なくスタッフが市内各所を駆けずり回りながら、地域に愛されるクラブ作りを地道に進めてきました。私たち応援団メンバーも彼らの信念と心意気に共感し、フロンターレというクラブを市民が誇りに思えるよう、これまでスタジアム内外で最大限のサポートをしてきました。
しかし、今のフロンターレは1年前に親会社の富士通から来た吉田明宏社長の下、これまで皆で育んできた地域との絆を軽んじ、今までとは異なる価値観の下で危うい方向へ進みつつあると感じています。私たちは、様々な局面でクラブと向き合い共に活動を重ねる中、吉田社長の優先する事柄や既存スタッフの処遇からこの変化を肌で感じ、今のクラブの状況に極めて強い危機感を抱いています。

私たちがそう感じている背景はいくつかあります。まず1つめは、地域密着に貢献してきたスタッフが次々とクラブを去っていることです。
今年に入り、実に24年間クラブの地域密着を推し進めてきた営業スタッフの井川宜之氏、そしてクラブ発足時から長年トップチームの強化に携わってきた元強化部長の庄子春男氏が、相次いでフロンターレを去りました。「事業」と「強化」というそれぞれの役割でフロンターレを地域に根付かせた、2人の功労者が同時に辞めていったわけです。
この両名に始まったことではありません。これまで中心的な立場で地域のコミュニティと繋がり、地域とクラブの関係作りに尽力してきた事業部スタッフが、次々とフロンターレを辞めています。クラブが地域密着を最優先事項と捉え、これからもその考えを継続していくのであれば、この状況はクラブにとって極めて深刻な事態だと私たちは考えています。

2つめは、商店街や地域団体など地域の人たちとの関係性が、以前と比べ薄くなっていると痛感する機会が極端に増えたことです。
以前は、ポスター配布やタペストリー交換はもちろん、ことあるごとにスタッフが市内各地に直接顔を出して地域の人たちと交流し、良好な関係を堅実に築いていたかと思います。しかし、昔から熱心に応援している商店街の知人と話をすると、今はお店に顔を出してくれるスタッフも減り、クラブとの距離感を随分と感じるようになったと言っていました。人気や知名度が増しクラブが急激に大きくなっていく最中だとしても、苦しい時代に支えてくれた地域の人たちが置いてけぼりにされている今の状況は、これまでの大切な絆を壊しかねない由々しき事態です。
さらに、市内の各商店街に掲出しているタペストリーについても、既にシーズンが開幕して2ヶ月近く経っているのにも関わらず、市内全域の至る所で過去シーズンのものが掲出したままになっています。つい先日も、クラブ末長事務所から程近いある商店街に、色褪せてボロボロになった古いタペストリーが掲出されたまま放置されていて、サポーターに指摘されてから慌ててスタッフが交換に行ったということもありました。誰かしらスタッフが現地を訪れていたら、このような状況はあり得ないはずです。
ここ数年のコロナ禍という状況を差し引いても、市民や地域との関わりを何よりも大切にし、地域密着を合言葉にひたむきに活動してきたフロンターレは、いったいどこに行ってしまったのでしょうか。クラブの組織風土ががらりと変わってしまったと、痛烈に思い知らされています。

3つめは、足元が揺らぐこの状況を知ってか知らずか、クラブの意識が完全に別の方向を向いてしまっていることです。
地域との関係性が薄くなる中、クラブはアジア戦略を強力に推し進めています。ACLタイトルを勝ち取るため、サッカーの裾野を広げるためという目的には賛同しますし、フロンターレがアジアを代表する強大なクラブになって欲しいとも願っています。しかし、私たちは地域密着を疎かにしてまで、それを優先して欲しいとは思っていません。
SDGsやフロンターレ経済圏構想についても同様です。高まりつつある人気や知名度を利用しビジネスに結び付けることも理解はできますが、それらの成功は揺るぎない地域密着の土台の上にはじめて成り立つものだと考えます。このままでは古くから地域密着の理念に賛同しクラブを支え続けてきた地域やスポンサーから見放され、せっかく皆で磨いてきたクラブの存在価値すら失いかねません。

私たちが抱いている危機感は、吉田社長にメンバーが直接会ってこれまで何度も伝えてきました。しかし、返答では速やかな改善を約束しておきながら、実体が伴わない状況が相変わらず続き、私たちのみならず多方面から失望の声が上がっています。
そこで今回、吉田社長とその事業方針に対して私たちが強い不信感を抱いているという事実を、スタジアムに来場された行政・スポンサー・関係団体・商店街、その他のフロンターレに関わる多くの皆さまに直接的に知ってもらいたいと考え、様々な批判を受けるのも覚悟の上で、スタジアムでの横断幕掲出という手段で声を上げさせていただきました。ご賢察くださいますよう、よろしくお願いいたします。

鬼木監督率いるチームは、不運にも怪我人が相次ぎ、難しい戦いを強いられています。そんな中、試合終了後とはいえ、私たちが選手の応援とは直接関係の無い横断幕を掲げたことで、不快に思われた方がおられましたらどうかお許しください。私たちサポーターは、川崎の誇りを胸にピッチで死力を尽くして闘う選手たちを信じ、これからも変わらず「応援」という形で鬼木フロンターレを後押ししていきます。

川崎フロンターレ応援団一同